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 東京の秋も深まってきました。溜池山王での打ち合わせから次の外苑前でのそれまで2時間半ほどあきができたので、久し振りに赤坂から歩き始めました。

 東京という街は、とても広いように思いますが、実は山手線の内側は、その気になれば、ほとんどの場所へ歩いてもいけます。そんなお薦め散歩街のひとつが、このルートです。




『室町 砂場 赤坂店』

 赤坂。TBSの社屋の前の細い道を入ると、砂場という蕎麦屋さんがあります。正式には室町 砂場 赤坂店というとのこと。ここはコピーライターとして駆け出しの頃、スノッブな大先輩がよく通っていると聞いていたお店でした。

 いつか格好つけて行ってみよう。何年かして実現しました。いつも頼むのは、その大先輩にならい、最初は卵焼きと熱燗です。熱々でジューシーな卵焼きを肴に熱燗で一杯。周りを見ると、そんなお客さんが他にもいます。少し恥ずかしい....。お酒に弱いからもあるのですが、熱燗の時は、いつも氷の入ったお水も頼みます。通によると、それは日本酒を飲むときの定番とも聞いたこともあります。

 卵焼き。家庭料理としては簡単なものですが、これまた通にいわせると、さまざまなバリエーションがあるとか。ここの卵焼きは甘い部類に入るとか。そして蕎麦屋さんのそれは出汁がしっかりと効いていて、独特の味わいがあります。最後の締めは、ざるです。

住所:東京都港区赤坂6-3-5
電話:03-3583-7670
営業時間:電話にて要確認


『GALLERY・MA ギャラリー間』

 砂場を出ると、すぐその前は取材でよく通った鹿島(建設)です。平日の昼間、夜の喧噪が嘘のように静かです。それから表通りに戻り、10分ほど歩くと、乃木坂に着きます。

 ここでの定番打ち合わせスポットは、はあといん乃木坂(旧健保会館)。お手頃ランチもお薦め。喫茶コーナーは広々としていて、あちら側は迷惑かも知れませんが、長時間、打ち合わせしていても快適なスペースです。

 はあといん乃木坂の隣には、衛生陶器メーカーのTOTOが主宰する「GALLERY・MA ギャラリー間」があります。建築に関心のある方々にはお薦めです。美しいデザインの書籍を眺めているだけでもいいですし、展示内容をじっくりと鑑賞するのもいい。喧噪から離れて静かに時間が過ごせます。

 10月3日〜12月20日まで安藤忠雄建築展[挑戦-原点から-}が開催されています。井までは国際的な建築家として名声を得た安藤忠雄氏。建築学会賞を受賞し、彼の出世作となった、あの住吉の長屋が原寸大模型で再現されています。そうです。部屋から部屋へ移動するのに、雨の日は傘をささなければというので有名となった建物です。

 この住吉の長屋には現在も施主の方が生活されているとか。そのため作品として見てみたいと考えても困難でした。そこで「GALLERY・MA ギャラリー間」で再現し、誰もが、その建物を鑑賞できるようにしたそうです。

住所:東京都港区南青山1−24−3 TOTO乃木坂ビル
電話:03-3583-7670
営業時間:電話にて要確認
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『国立新美術館』

 再び、はあといん乃木坂の前を青山方面に向かって歩きます。今は乃木坂トンネル(歩く人には橋ですが)として道路が開通していますが、かつてこの道は行き止まりでした。この辺りのマンションはセレブ仕様で、歌手の山本コータローさん、黒柳徹子さんの姿を見かけたこともあります。

 トンネルの横には国立新美術館があります。かつてあったのは東大生研。その時代には、そこにあった階段から敷地内に入れましたが、今は駄目。正面玄関からの入場となります。東大生研には驚くほど安い学食があったのでよく利用しました。だから本音ではその時代の方が嬉しかった...。

 総ガラス張りのデザインは黒川紀章氏、ロゴは今をときめく佐藤可士和氏の手になります。12月14日まで「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展を開催中。3階のブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼで特別メニューでも。

住所:東京都港区六本木7-22-2
電話:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
営業時間:電話にて要確認
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『青山ユニマット美術館』

 乃木坂トンネルを過ぎると、もう青山霊園に入ります。春には桜のトンルルが見事。東京なのと思うほど、静かで、平日の日中はほとんど人とすれ違うこともありません。

 青山霊園を246の方に向かって歩くと、散歩がてら、見つけた小さな美術館、青山ユニマット美術館があります。2009年1月13日までの秋の展示は大好きなシャガール。

 彼が追い求めたのは宗教性にまで昇華した「愛」。喧噪を忘れて心休まります。ショップでグッズも買えますし、サイトには優待券もあります。

住所:東京都港区南青山2-13-10
電話:03-5771−1900
営業時間:電話にて要確認
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 次回は、青山通りに出て、ベルコモンズからキラー通りを歩きます。

前回・ディープな街(五反田)
次回・2010年_春(外苑前・千駄ヶ谷(1)





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