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 3月31日、NTTグループ(NTT東日本、NTT西日本など)は、かねて明らかとしていた次世代ネットワーク(NGN)「フレッツ光ネクスト」のサービスを4月1日から一部地域で潜行して開始すると発表した。

 今回は、この次世代ネットワーク(NGN)「フレッツ光ネクスト」とは、どのようなサービスなのかを考えてみる。




 NGNは、Next Generation Networkの略。現在、我々はかつての日本電信電話公社(現NTTグループ)がインフラとして整備した電話回線・ネットワークを使用して、音声電話やインターネット・サービスを享受している。

 音声電話については従来の電話とIP電話が混在している。IPとはインターネット・プロトコル(Internet Protocol)のことで、IP電話は、このインターネット・プロトコルに基づく技術を利用している。

 更に詳しくみると、固定電話には有線の固定電話網、携帯電話には無線の携帯電話網、メールの送受信にはインターネット網、放送には放送網と目的ごとに異なるネットワークがそれぞれ異なる通信規約に基づき構築され、運用されている。

 NGNとは、要約すると、これらのさまざまなネットワークをインターネット・プロトコル(Internet Protocol)によって統一、統合しようとするもの。

 NGNは、NTTグループが、国内で独自に展開しているものではなく、世界的な基準だ。
具体的には、通信の国際標準化機関であるETSI(European Telecommunications Standards Institute)、ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)などによって、従来の電話回線網に代わる広域ネットワークとして明確に要件が定義され、標準化が進められている。




 NGNによってどんな変化、進化が起こるのだろうか。現在の光サービスは、NGNと比べると、無理矢理、IP化している面がある。そのため、混雑時に通信速度がバラツキ、低下するなど通信の安定性やセキュリティ面に課題がある。NGNでは、この課題が解決できる。

 何故、このようなことが可能となるのだろうか。それは、アクセス網からコアのネットワークに至るまで、広帯域(ブロードバンド)化されているからだ。これら通信の品質を保障する技術は、QoS制御といわれている。

※QoS(Quality of Service)
・ネットワーク上で、ある特定の通信のための帯域を予約し、一定の通信速度を保証する技術のこと。音声や動画のリアルタイム配信(ラジオ・テレビ型のサービス)やテレビ電話など通信の遅延や停止が許されないサービスにとって最も重要な技術となる。


 生活実感の面からNGNをみてみる。高速度通信が安定的に提供されるため、一例として現状より更に進化したハイビジョン放送が楽しめる。今回のサービス開始には間に合わなかったが、在京キー局などは地上デジタル放送の同時再送信(同時放送)を計画しているし、ソニーはハイビジョン動画共有サービスや高画質テレビ会議システム、USENは映像配信サービスを検討している。

 当初は東京、大阪、神奈川、千葉、埼玉の一部地域で、一般家庭・個人ユース向けのサービスが始まるが、順次、企業対象のサービスも実施され、これによって、医療や金融関連といった様々なビジネス領域において、現在よりも高速(おおむね1Gbps)で、高度なセキュリティーを確保したサービスがさらに拡大されると考えられている。

NTT東日本・ニュースリリース(PDFファイル)
NTT西日本・ニュースリリース(PDFファイル)

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