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『女の人はどう選ぶか考えると、女の人は選べないんじゃないかと思う。』


 高校生の時に、友人の妹さんを私と共通の友人が好きになったことがありました。自分の方が好きだと思って近づいていくのですが、相手は、それに気がついていても、友人とも楽しそうにやっていました。

 うまくかわされているな。女の子の方が大人だなと感心しながら、こっちは「どっちか選んで欲しい」と考えるのですが、そうはならなかったものです。

 吉本さんの「女の人は選べないんじゃないかと思う」という言葉を読んで、そういうことだったのかなと思ったものです。

 そのことについて吉本さんはまた、「男性の性が女性に比べて、はるかに精神的、心理的であるのに、女性の性が肉体的であるからだ」といっています。さらに、肉体的であるということについて、「女性の場合は、言い寄られるとか、手を握られるとか、性交渉を持つとかしない限り、相手を選べない」といっています。

 この女性の性が肉体的であるということは、どこからやってくるものなのか。産む性だからなのか。ここはよくわからないところです。

 ただ、「選べないんじゃないかと思う」ということと、女性が肉体的だということは、きっと関係がある。「選べない」というよりも、最も優れた遺伝子を選ぶために、なかなか「選ばない」のかもしれません。男性の方は確かに、女性の理想像を祭り上げたり、ある部分、精神的、夢想的、妄想的なところがあります。女性は、もっと現実的ですし、時に女王様的に男を侍らせておきたいとの思いもあるようだからです。



「(略)男女の性については、男性は女性の性を本当は知らない。また女性は男性の性を本当には知らないということが、男女の双方にあると思いますが、女性が男性の性について何がわからないかというと、男性の性が女性の性に比べて、はるかに精神的、心理的だということです。
 だから、女性が社会的に自立して優位に立ち、それを鼻にかけて男性に接すると、男性はそういう女性を必ず敬遠するようになると思います。
 一方、女性の性は男性の性に比べて、はるかに肉体的です。だから、たえばここに、知識、教養、収入、見かけ上の美醜などの点で、ほぼ同等の男性が二人いたとして、女性は「そのどちらかを選べ」といっても、選べないと思います。
 それは、女性の性が肉体的だからです。女性の場合、精神よりも身体のほうから入っていき、言い寄られるとか、手を握られるとか、性交渉を持つとかしない限り、相手を選べないからです。その点、男性の場合は、ほぼ同等の女性が二人いたとしても、必ず、どちらかを選べると思います。」

出典:「幸福論ょ(青春出版社)(P170〜171)
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