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『SAYURI』
来日記者会見
監督::ロブ・マーシャル
出演:チャン・ツィイー、渡辺謙、ミシェル・ヨー、役所広司、工藤夕貴、コン・リー、桃井かおり、大後寿々花
ほか
日時:11月28日(月)
会場:帝国ホテル
出席者:
ロブ・マーシャル監督、チャン・ツィイー、渡辺謙、ミシェル・ヨー、役所広司、桃井かおり、工藤夕貴、大後寿々花
公開情報:12月10日(土)丸の内プラゼールほか全国にて公開
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 芸者の世界を舞台に、日本の美と女性たちの姿を描いたハリウッド作品、『SAYURI』。本作は、1997年に出版されたアーサー・ゴールデンの小説「メモリー・オブ・ゲイシャ」(邦題:さゆり)を映画化した話題作。

 『シカゴ』でアカデミー賞に輝いたロブ・マーシャル監督、アジアが誇る若手女優のチャン・ツィイーが組んだ、絢爛な世界。この映画の記者会見に、監督・キャストが集合した。

Q:さゆりという役は、渡辺さんが演じる「会長さん」を一途に思い続けますが、女性キャストの皆さんは、彼女のような恋を、どう思いますか?

ツィイー(以下ZZ):私は10年も待つことはできないと思います。すぐ思いを打ち明けます。

ヨー(以下MY):私たちは昔の人に比べ、はるかに恋愛に自由がありますよね。さゆりのように、どこまでも愛し続けるような恋愛に出会えることは、幸せです。でも、それほど女性から愛されたら、男性はちゃんと思いを返してほしいわ!

桃井:さゆりはあんなに小さな頃から、運命の男に目をつけたなんて…日本人の執念を感じるわね(笑)。私も、運命の人と感じたことはあるけど、あんなに長くは待てません!

工藤:人を愛し続けることがどんなに難しいかわかってきたので、そんな恋愛に出会いたいです。

大後:そういう恋が出来たらいいな、と思います…(照)

マーシャル監督(以下RM):この映画は、ゲイシャという制約のある世界で生きた4人の愛を描いています。
 さゆりはどんなことがあっても前に突き進み、制約に反して会長さんへの愛を貫くし、豆葉は愛を閉じ込めて、制約を受け入れる。初桃は愛の制約を受け入れられずに破滅してしまい、おカボもまた、ゲイシャの制約を受け入れられず、落ちぶれて娼婦になってしまう。そういう観点から愛について見るのも、面白いと思うよ。

Q:有名な原作を持つ作品ですが、映像にする上で最も難しかった点は?監督は、完成した作品に満足していますか?

RM:僕は常に、もっと良くしたいと思うタイプなので、完成という気持ちはないんだけど、いつかは映画を観客にゆだねなくてはいけない。出来上がりには満足しているよ。原作はベストセラー作品だから、興奮とともに恐れもあった。でも、西洋で誤解されている芸者という職業を、正しく理解してもらうことが出来るのは大きな魅力だったんだ。
 映画化にあたっては、20〜30年代の日本をファンタジー的な印象で見せたかった。素晴らしい俳優たちを得て、言葉の壁もあったが、リハーサルで解決しながら、こういう映画を作ることができる恵まれた環境について、日々感じながら作っていたよ。

Q:ツィイーさんとミシェルさんは、日本人女性を演じる上で気をつけた点を教えてください。

ZZ:6週間にわたって、お辞儀の仕方や歩き方、膝のつき方やお茶を入れる作法など、集中的に訓練しました。芸者になるのに6週間は短すぎますが、最善を尽くしました。

MY:普通のゲイシャが一生をかけて到達することを、6週間で学ぶのは大変でした。私たちは、三味線の部屋や踊りの稽古部屋、セリフの練習部屋など、「7つの拷問部屋」と呼んでいて、私は、お座敷でお酒を注ぐ仕草を学ぶ「酒ルーム」が好きでした。でも、一番好きだったのはロブのヴィジョンを学ぶ部屋です。
 彼は日本の文化を心を込めて描いています。それから、芸者の仕草を学ぶときに、日本人キャストの皆さんが、常に正しいお辞儀の仕方などを思い出させてくれて、指導してくれました。愛情と情熱を持って演じているので、おかしな仕草をしていても、どうぞ許してください!

Q:渡辺さんと役所さんは、アジアを代表する女優さんと共演した印象と、コミュニケーションをどのようにとっていたのか教えてください。

渡辺:ツィイーは、若くして大きなマーケットをターゲットにした作品に出演していて、いつも、この細い体から信じられないほどのパワーを発散していました。よく、セットの隅で何かを食べていましたね。普通、着物だとなかなか食べられないんですが、それがエネルギーにつながっているのかな。
 ミシェルは、僕たちが言う言葉のすべてにコネクトしてくれて、皆に話してくれるので、豆葉的な、リーダーの役割を果たしてくれました。コン・リーは、大変な集中力が要る役で、常にハイテンションが続いていたので、トレーラーでいつも大音量の音楽を聴いていました。それくらい役に打ち込んで、高いモチベーションを持っていたと思います。

役所:確かにチャン・ツィイーはよく食ってました!コン・リーもよく食べてましたね。ミシェルはエクササイズを欠かさず、素晴らしい肉体を保持していました。どうして神様は、こんなにたくさんの言葉を作ったのかな、と恨みましたね。もっとコミュニケーションを取れたら、もっと僕の魅力が伝えられたのに、残念でなりません!

Q:工藤さんは、悪役のおカボを演じましたが、この役で心がけたことを教えてください。

下巻は「こちら」から
工藤:おとなしい感じからこんな風に変わってしまうような役は初めてだったので、自分が同じ立場だったらどうか、色々なことを考えました。役ではツィイーの演じるさゆりに嫉妬をするので、ツィイーのことは大好きで友だちになりたいんだけど、親しくなりすぎると難しくなってしまう部分もありましたね。おカボは、普通の人たちを代表するような役だと思います。

 誰もが上手くいくわけじゃなく、多くの人は夢を諦めていかなくてはならない人生で、どうやって強くいられるのか探していると思います。ロブも、時間をとって話してくれたので、自然に演じられました。クセになりそうですね。

 最後に、マーシャル監督はキャストそれぞれについて、その魅力を熱弁。

RM:どのキャストも本当に素晴らしい。みんな、ひと目でそれぞれに役にぴったりだと思った人ばかりなんです。キャストの話になると、何時間でも喋ってしまう…。

と、すっかりこの俳優たちにほれ込んだ様子。特に、さゆりの幼少時代、千代を演じた大後寿々花ちゃんについては、「絶対に大スターになる」と、太鼓判。

RM:僕が、今度は水をかけるよ、鞭で打つよ、ここから落ちるんだよ、と言うと、彼女はとても可愛らしく、「オッケー!」って言うんだよ。それが彼女の知っている英語だからね。

と、微笑みます。撮影時よりも少し大人になったように見える寿々花ちゃんは、

大後:アメリカも英語も初めてで、すごく緊張しましたが、人生で一度の思い出です。時が経っても忘れないよう、この映画を見た人に、すばらしいと思ってもらえたらうれしいです。




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