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『雪に願うこと』
完成披露舞台挨拶
監督::根岸吉太郎
出演:伊勢谷友介、佐藤浩市、吹石一恵
ほか
日時:2006年2月1日(水)
会場:新宿明治安田生命ホール
出席者:
根岸吉太郎監督、伊勢谷友介、佐藤浩市、吹石一恵
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 昨年の東京国際映画祭で、グランプリと監督賞、最優秀男優賞、観客賞に輝いた注目作品、『雪に願うこと』が、完成披露の日を迎えました。北海道、帯広の厩舎を舞台に、挫折の上に故郷へ戻ってきた青年の姿を描く、感動のドラマです。本作で、兄弟を演じた伊勢谷友介さんと佐藤浩市さん、女性騎手を演じた吹石一恵さん、そして根岸吉太郎監督が、舞台挨拶に立った。


 まずは、お一人ずつご挨拶を。

根岸監督:『ディープ・インパクト』も3冠だったのに、東京国際映画祭で4冠をいただきました。賞金をどうしますか?と聞かれ、「馬に人参をあげたい」と言ったのですが、先日、その約束を果たしに、37箱の人参をもって帯広に行きました。久々に、主役をやっている馬にも会って、贈呈式では、「佐藤さんが主演男優賞を取りましたが、芝居は馬の方がよかった!」と挨拶しましたら、馬も頷いておりました(笑)。

 映画界では、動物と赤ん坊には適わないと言いますが、そんな中、この3人はずっと馬と付き合い、馬を凌ぐ芝居を組んでくれました。厩舎の生活は、まるで家族の場所のようで、俳優の皆さんが家族のようなチームワークを組んでくれましたが、座長の伊勢谷くんの力は大きかったですね。吹石くんも、素晴らしい体力を見せてくれました!

伊勢谷:本当に、僕が役者をやってきた中で、多大な影響を及ぼしてくれる作品に出会うことができました。監督をはじめ、お兄さん役の浩市さんや、山崎努さんにイジメられながら、楽しくやらせていただきました。この映画で、何かが皆さんの心に届くように願っています。

佐藤:スクリーンと客席の感覚が、すごく近い映画だと思います。淡々と日常が進んでいくなか、皆さんとの間がどんどん詰まっていくように仕上がっています。最初にうちの座長(伊勢谷)を見たとき、「大丈夫かな、こいつ・・・」と思ったんですが、映画が終わる頃には弟のように思い、終わった後も連絡しあう仲になれたということでも、いい財産を得たと感じます!

吹石:私にとってこの作品は、人と関わりながら生きることはどういうことか、考えるきっかけとなりました。その答えはまだ出ていないのですが、これからずっと探してゆけたらいいと思っています。どうぞ、楽しんでいってください。

Q:馬と人とのコラボレーションがひとつのテーマでしたが、根岸監督が演出で苦労した点は?

根岸:現場はものすごく寒いところで、朝はマイナス20度近くになるなか、苦労したのはやはり、いかに自分が温かく過ごせるか、ということです。
 伊勢谷くん、そして特に吹石さんは馬に慣れてもらわなきゃいけないので、2週間くらい前に入ってもらいました。毎日泊り込んで競馬場の仕事をして、その仕事が、そこの人々と変わらないくらいできるようになってもらってから臨んだので、撮影も大変でしたが、スタート前の準備がすごく大変でした。

Q:伊勢谷さんは、学という役について共感した点はありますか?

伊勢谷:僕のリアルな部分に重なる部分が多く、母親と自分の関係や年齢など、余りにも共感させられて、それを監督に、いい形で表現していただくという感じでした。

Q:佐藤さん、山崎さんという先輩俳優との競演はいかがでしたか?

伊勢谷:夕方に撮るはずのシーンを、かみ過ぎて…浩市さんも怒っている芝居で、良かったのか悪かったのかわかりませんが、とにかく僕もビビッてしまい…そのまま日が暮れてしまって、皆をピリピリさせたこともありました。本当に緊張しました。それがいい意味で、兄弟の距離に見えてくれるといいな、と思ったのですが…本当に緊張しました。

Q:そんな伊勢谷さんについて、佐藤さんはどのような印象をお持ちですか?

佐藤:印象は…良きにつけ悪しきにつけ、いつも等身大でいられる青年ですね。彼の良いのは、嘘がないこと。意外に純な部分があると感じたり、すごく大事な芝居の前にも昼寝していて、一発入れたこともありました(笑)。彼と役のリンクが、すごく良かったと思います。

Q:佐藤さんは様々な監督と仕事をしていますが、根岸監督とはいかがでしたか

佐藤:もちろん顔は存じ上げていましたし、何度かお話もあったのですが、25年経って初めてご一緒させていただきました。
 監督はあまり雄弁に語るタイプではないのですが、僕の撮影初日の時に、この映画の雰囲気が語らなくてもわかった気がします。シンプルなシーンだったんですが、根岸さんは、何かがダメだ、ということでテイクを重ねていって、言葉ではなく何かがダメ、というのが役者やスタッフ全員に上手く伝わって、映画の雰囲気が伝わったんです。
この映画はきっと上手く行く、と、初日で思えたことがよかったですね。

Q:吹石さんは騎手という役ですが、馬とのシーンが多かったと思います。いかがでしたか?

吹石:デビューしてもうすぐ10年ですが、ある意味、これまでの仕事の中で一番大変でした。少し前から撮影に入って、毎日馬と一緒にいる時間があって、最初にできなかったことがどんどんできるようになったり、言うことを聞いてくれなかったのが、だんだんと意思疎通ができるようになったり、忘れられない作品になりました。

Q:シナリオを読んで、どんなところが魅力だと感じましたか?

吹石:みんな、それぞれに何かを抱えながら一生懸命に生きていて、見ている人はそのうちの誰かに共感できたり、何かを思うことがあるんじゃないかと思います。

 では最後に、根岸監督から観客にメッセージをお願いします。

根岸監督:見ていただいて、身体で感じ取っていただければ嬉しいと思います。帯広でしばらく頑張った成果を、楽しんでください。




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