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『ローズ・イン・タイドランド』
来日記者会見
監督::テリー・ギリアム
出演:ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・テイリー、ジャネット・マクティア、ブレンダン・フレッチャーほか
日時:2006年4月13日(木)
会場:ウェスティンホテル東京
出席者:
テリー・ギリアム監督、ジョデル・フェルランド
公式サイト:ローズ・イン・タイドランド
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 『ブラザーズ・グリム』で7年ぶりの監督作を発表したテリー・ギリアム監督が、続いて取り組んだファンタジー映画、『ローズ・イン・タイドランド』。

 迷宮に迷い込んだ「不思議の国のアリス」のように、現実世界を飛び出してしまった少女、ジェライザ=ローズの孤独なおとぎ話が、私たちの想像力を無限に掻き立ててくれる作品です。テリー・ギリアム監督が、ローズ役のジョデル・フェルナンドちゃんとともに来日した。


ギリアム監督:この映画は、見た人それぞれの反応が違っているので、とても興味深いね。皆さんもそれぞれの感性でこの映画を体験して欲しい!

Q:では早速、ジョデルちゃんに聞いてみます。ギリアム監督はどんな人?

ジョデル:う〜ん、どういったらいいかしら…私の大好きな監督よ!

 するとギリアム監督、財布からお札を出しながら、
ギリアム監督:ハンサムで、知的で…それから? もっとあるだろう?

ジョデル:(笑)とにかく、こんなに楽しい監督とお仕事をしたのは初めて!

Q:ジョデルちゃんは、ローズを演じるのは難しくなかったですか?どんな風に演じようと思ったのですか?

ジョデル:そうね、確かに簡単ではなかったけれど、ものすごく難しいというわけでもなくて、ちょうどその中間くらいかな。心の中で色々なことを考えて、もし自分がローズだったらどうするかしら? と、考えながら演じました。

Q:ローズにはキスシーンもありますね。キスの後で、ローズは口を拭いますが、これはギリアム監督の演出ですか?

ギリアム監督:あれは、ジョデルが自分でやったことだよ。演出ではなくて、子供の自然な反応だろうね。この年頃の女の子なら、初めてボーイフレンドとキスをした後は、きっと「うぇ〜っ」という感じなんじゃないかな?(笑) ジョデルには何の演出もつける必要がなかったんだ。彼女は、少女として自然な反応をしてくれて、僕はそれを見ているのが楽しかった。大体、65歳の男が10歳の少女を演出しようなんていうのも、おかしなことだからね。

ジョデル:あのキスシーンについては…あんまりよく覚えていないの。でもあれは、テリー監督が「やれ」と言ったと思うけど。

ギリアム監督:(ジョデルに)この嘘つきめ!(会場爆笑)

Q:ギリアム監督は、子役に対し驚異を感じることはありますか?この映画で幼少期の自分を反映させた点はありますか?

ギリアム監督:僕は普段、子役を使うのは好きじゃないんだ。大体の場合、子役は演技が機械的で、演技のトリックを覚えてしまい、自然さが出ない。その点、ジョデルにはいつも驚かされた。彼女が内側から発する行動や、彼女が選んだ行動はとても素晴らしくて、演出の必要は全くなかったんだよ。それから、僕の子供の頃の話では、今回、少年の頃出来なかった人形遊びができたことが良かったね!(笑)

Q:本作は、アメリカの若手作家ミッチ・カリンの原作もとにしていますが、選んだ理由は何ですか?

ギリアム監督:とにかくこの本は、ずば抜けたものがあって、こんな物語は読んだことがなかった。子供の世界はエキサイティングで奇妙なものだ。そんな世界で子供が見せる反応は、僕にはとても魅力だった。おかしな世界で何とかやっていこうとして、イマジネーションを発揮する。とりわけ、最近の映画では子供が被害者として描かれる場合が多いから、この中では、子供が強くある姿を描きたかったんだ。

Q:元ロックスターの父親、ノアをジェフ・ブリッジズが演じていますが、この役は「ザ・フー」のピート・タウンゼントにインスパイアされたものですか?

ギリアム監督:特に誰かにインスパイアを受けたということはないんだが、ジェニファー・ティリーが演じた母親役は、コートニー・ラブがモデルだよ(笑)。ノア役は、『ビッグ・リボウスキ』(1998年 ジョエル・コーエン監督)でジェフが演じたデュード役が、もしも悪人だったらこんな感じかな、と思って作ったんだ。ジェフは昔からロッカーに憧れていたから、夢がかなったんだよ。

Q:ギリアム監督は、この映画で大きなチャレンジだったことは何ですか?

ギリアム監督:この映画で一番心配だったのは、ローズ役を見つけることだ。ローズはすべてのシーンに出続けているから、子供がそんな大役を背負えるのかと心配していた。実際、撮影の1ヶ月半前になってもローズ役は決まっていなかったんだ。そんな時にジョデルが現れて、この映画を救ってくれた。彼女ほど幅が広く深みのある女優はそんなにいない。まさにこの映画が存在するのは、彼女のおかげだといえるよ。

Q:ジョデルちゃんは、撮影中、監督とどんな風に過ごしたのですか?

ギリアム監督:実際に起こっていたことをお見せしよう!(ジョデルの頬を殴るフリ)

ジョデル:そう、こんな風に過ごしていたわ(笑)。実際、よく一緒に遊んでいたけれど、何をしたかは余り覚えていないの。

ギリアム監督:それは思い出せないんじゃなくて、遊んでなどいなかったってことだよ。彼女はすごくプロ意識が高いからね。仕事ばかりさ。おかげで僕は、彼女よりもうんと年上の役者を遊び相手に見つけなくちゃならなかった!

Q:ジョデルちゃんは、ローズと自分が似ているところ、似ていないところはどんなところだと思いますか?また、将来はどんな女優さんになりたいですか?

ジョデル:似ているところはあまりなくて、強いて言えば少女だということくらい。私はローズみたいに、人形の首を取って指につけておしゃべりしたりしないもの。将来どんな女優さんになりたいのかは、まだわからない。でも、ずっと演技を続けていきたいと思うわ。そうするうちに、形が自然に生まれてくると思うの。

Q:今回は、前作『ブラザーズ・グリム』に比べ小作品となりましたが、心境の変化は?

ギリアム監督:確かにこの作品は小さな作品で、特殊効果も使っていないし、俳優もメインは4人だけで、『ブラザーズ・グリム』のように複雑な映画とは全くペースが違うものだ。ただ、作品が小さいほうが作りやすいし問題も少ない。大作はそれなりに多くの観客に見てもらわなくてはいけないが、この作品ではそういう心配はいらないし、そのおかげで、より危険でパワフルで、観客の心をかき乱すような物語が作れる。それはとても楽しいことだよ。『ブラザーズ・グリム』の時は、まるで軍隊のように総てを整然と製作していたが、今回は、何かアイデアが浮かべばそれをすぐ反映でき、遊びの要素も多くなった。つぎ込むエネルギーが全く違うんだ。

Q:ジョデルちゃんは、ギリアム監督の映画を見たことがありますか?

ジョデル:正直言うと、見たことがないの。でも、これから全部見たいです。監督のことはこれまで知らなかったんだけど、今回知り合えてとてもハッピーよ。

Q:ノアが剥製になってしまうシーンがありましたが、そのシーンで注意したことは?ジョデルちゃんは、剥製になったノアを見てどう思いましたか?

ギリアム監督:一番心配していたのは、下半身を覆っている布が落ちてしまわないかということだったんだ。何といっても、これは子供の映画だからね…(笑)。

ジョデル:あの時は、とても不思議な気持ちだったわ。動物を剥製にするというのは知っているけど、人間なんて、考えたこともなかったもの。色をつけてメイクが終わってみて、これまで見たこともないようなものだと思ったわ。すごく奇妙だけど、同時になんだかクールな気がしたわね。




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