最新映画、話題作を観るならワーナー・マイカルで!
top pagemovie最新記映画情報(バックナンバー)









監督:マーク・フォースター
脚本:ザック・ヘルム
撮影:ロベルト・シェイファー
音楽:ブリット・ダニエル(スプーン)
キャスト:ウィル・フェレル、エマ・トンプソン、ダスティン・ホフマンほか
2007年5月 日比谷みゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
公式サイト:主人公は僕だった
ベネット・ミラー監督来日記者会見に、"たなカポーティ"登場
分の人生は、有名作家が執筆中の小説と同時進行だと気付いた男
果たして彼は、主人公の死を阻止することができるのか?


 私たちの人生のストーリーを書いているのは、運命? 神サマ? それとも自分自身? 国税庁に勤めるハロルド・クリックの場合、なんとそれは文字通り"作家"だった! 

 毎、朝同じ時間に目覚め、同じ回数歯を磨き、同じ歩数でバス停まで行き、会計検査官の仕事をこなして、毎晩同じ時間に眠る。そんな几帳面すぎる毎日を送っていたハロルドに、ある日突然、彼の行動を正確に描写する女性のナレーションが聞こえてくる。

 声の主は、かつての人気作家カレン・アイフル。10年の沈黙を破る最高傑作の完成を目前にした彼女が、ラストでいかにして死なせるかを悩んでいる主人公こそ、ハロルドだったのだ。何とか自分の物語を喜劇にしようと、生活を変え始めるハロルド。自分とは住む世界が違う女性に恋をしたり、子供の頃の夢だったギターを弾いたり、愛すべき姿に変わりゆくこの人生を、ハロルドは守ることができるのか?

 最悪の災難に遭うことによって、新しい人生に踏み出すハロルドを演じるのは、大ヒット作「プロデューサーズ」でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたウィル・フェレル。

 12年間、退屈な日々を過ごしてきた男が、自らの死に直面することによって全く違う人生に踏み出し、初めて生きることの喜びを知る。彼の勇気ある行動は私たちに、人生のストーリーは、いつでも自分の手で書き直すことができるのだと教えてくれる。

 ハロルドの"人生の作者"カレンに扮するのは、「ハワーズ・エンド」でアカデミー賞を獲得したエマ・トンプソン。他人の不幸すらも自分の小説の糧にしようとする芸術至上主義のシニカルな作家が、自作の中で殺そうとしていた主人公が実在していると知り、人生か芸術かに揺れる様を演じる。彼女が書き上げたエンディングは、観る者の心に温かい灯をともしてくれるだろう。

 ハロルドが助けを求める文学理論の大学教授ジュールズ・ヒルバートに扮するのは、「クレイマー、クレイマー」「レインマン」でアカデミー賞を2度受賞した名優ダスティン・ホフマン。頭脳明晰だが、ちょっと曲者の教授を完璧に自分のものとし、随所にユーモアを忍ばせた演技が楽しい。

 また、ハロルドと恋におちるアナ・パスカルには、「セクレタリー」「ワールド・トレード・センター」で絶賛されたマギー・ギレンホール。"脱税したケーキ屋オーナー"アナと、検査官のハロルド。敵対する立場の上に、アナはセクシーで魅力的、ハロルドは男としてかなり冴えない。そんな2人が恋におちる瞬間は、映画史上最も愛らしいシーンの一つとなるだろう。

 監督は、主演のハル・ベリーがオスカーを獲得したことでも話題になった「チョコレート」、アカデミー賞7部門にノミネートされた「ネバーランド」のマーク・フォースター。

 登場人物の心のひだを丹念に描く手腕が高く評価され、若くして人間ドラマの名手と絶賛されている。本作は一見、これまでの作品とは異なる趣だが、人生の機微を描くことに長けた彼の才能が、意外な設定から始まった物語を、深みのある感動作に着地させることに成功した。

スクリーンの向こうへ





ワーナー・マイカル・シネマズ
Copyright (C) 2012 Archinet Japan. All rights reserved.