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【5月23日 AFP】欧州委員会(European Commission)は22日、米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)が事務用統合ソフト「オフィス(Office)」上で競合フォーマットのOpen Document Format(ODF)を利用可能にすると発表したことについて、詳しい調査を行うと発表した。

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 このニュースの背景には何があるのかを探ってみた。PCのOSとしてWindowsが市場を席巻し、その上で稼働するMicrosoft Officeもマイクロソフトが提供している。消費者の中には、Microsoft Officeは高すぎる、マイクロソフトは巨額な利益をあげすぎているとの意見もある。

 マイクロソフトの側に立ってみる。Microsoft Officeの開発には巨額な費用がかかっており、それを継続サポートし、更なる機能向上を行うためには消費者に応分の負担をしてもらっていると....。

 欧州委員会などが問題としているのは、マイクロソフトは市場を独占し、の独占的な立場の中で価格決定がなされているのではないかとの点だ。

 ここには、価格とは何なのだろうか、価格とは誰が決定し、その決定の要因とは何なのかなど多くの問題が隠されている。マイクロソフト側は、上記のような立場から、価格は適正だと主張するだろう。消費者はもっと安くできるはずだと主張するだろう。

 OSとは本来、公共財なのだから、一ソフトウェア・ベンダーに依存すべきではないとの考えからLinuxなどが展開されてきた。そして、その上で稼働するアプリケーションも同様なのではないか。

 Microsoft OfficeとOpenOffice間の互換性についてはさまざまなレポートが存在する。それらを読むと、個人利用ではOpenOfficeを使用しても問題はないようだ。さて、自己責任において、どんな選択をすればよいのだろうか。悩ましい状況は続いている。そして、一台のPCにひとつのアプリケーションを提供するとのマイクロソフトのビジネス・モデルの将来も問われている。

 


 ODF(Open Document Format)とは、XML関連技術の標準化団体であるOASISによって策定されたオフィスソフトで作成したデータ保存のファイル形式。開発、運用の経緯をみると、当初、オープンソースのオフィスソフトのOpenOffice.orgが採用してきたファイル形式を拡張したもので、2005年5月にOASIS標準となり、2006年5月には国際標準化機構(ISO)によって国際標準仕様として認定された。

 このODFの採用促進活動を続けているODF Allianceによると、採用を決定したり、採用を検討している政府、関連公的組織は、オランダ、南ア、ロシア、マレーシア、日本、フランス、ベルギー、クロアチア、デンマーク、ドイツ、ノルウェーなどすでに500を越えているという。

 米IBM、米オラクル、カナダ・コーレルなどもODFへの支持を表明しており、グーグルはオンラインワードプロセッサのWritely、ジャストシステムはワードプロセッサの一太郎でODF対応を行うなど、ソフトウェアベンダーなどにも、この動きは広がりを見せている。

 マイクロソフトの動きとの関連をみてみる。同社はMicrosoft Office 2007段階では、独自に開発したOpen XML Formatを採用し、ODFへの対応は行っていなかったが、上記にあるように、各国政府、公的機関などからの要請により、結果的にODF対応に踏み切った。それを受けて、欧州委員会がODFとの互換性などを調査するというもの。

OASIS/
Organization for the Advancement of Structured Information Standards
(英文)
ISO/International Organization for Standardization(英文)
ODF Alliance (英文)

※ODFの基本的な構造
・XML形式のテキストファイルと付属する画像などのバイナリファイルをZip形式の圧縮ファイルとして一つにまとめている。テキストはcontent.xmlというファイルに格納され、画像などはPicturesというフォルダに格納される。他に、文書の著者や作成日などの文書情報を記述したmeta.xml、格納ファイルの一覧を記述したmanifest.xml、書式やスタイルを規定したstyles.xmlなどのファイルで構成される。





 関連してOpenOfficeについて紹介する。OpenOfficeは、正式には、OpenOffice.orgといい、その名称が示すようにオープンソースで開発されている、誰もが無償で使用できるソフトウエアで、ワープロや表計算、プレゼンテーションソフトなどから構成されている。

 OpenOffice利用者が増えている背景には、Microsoft Officeとの高い互換性が確保されている点がある。そのため、Microsoft Officeの代用ソフトとして使用したり、乗り換えするケースが増えている。

 最も注目されているのはOSに依存しない点だ。Windows版は勿論のこと、Linux版、FreeBSD版、Solaris版、MacOS X版(ベータバージョン)がある。Microsoft Officeが使用できないLinux、FreeBSD、Solarisの利用者には、特にメリットが大きい。

 多国語対応されているのもメリット大。多国語版が同時に開発されているので、世界中で同一のソフトを利用することができる。内部構造はUnicodeで処理されているので、OpenOffice.org日本語版でも欧米の言語と合わせて他地域の言語を扱える。アジア諸言語としては、日本語、韓国語、中国語に対応し、またアラビア語、タイ語、ヒンディ語、ヘブライ語にも対応している。

OpenOffice 機能 Microsoft Office
Writer ワープロ Word
Calc 表計算 Excel
Impress プレゼンテーション PowerPoint
Draw ドロー・図形描画 MS Draw
HTML Editor ホームページ作成 FrontPage Express
Math 数式エディタ 数式エディタ

OpenOffice.org(英文)
OpenOffice.org(日本ユーザー会)

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