top pageothers>09.04_Vol01













 民主党代表の小沢一郎氏の公設第一秘書の逮捕。あまりのタイミングからか、国策捜査なのではとの意見もある。市井のものとして本当はわからない。千葉県知事選挙では森田健作氏が当選した。4年前の敗北からの雪辱に燃え、彼は地道に努力を続けたとのこと。今回のスキャンダルの影響もあったろうが、森田氏の努力が実ったと考えられる。

 森田氏の言動は、ここのところ連日、マスコミで取り上げられている。千葉県民の民意は尊重すべきだが、彼の発言は、浮ついていて、危なっかしい。どこか麻生氏に似ていて、言葉が届いてこない。無所属を名乗ったが、自民党の支部長は兼任していたとの報道もある。果たして市井の想いに対応できるのだろうか。

 本題に戻る。今のところ、民主党は小沢氏の続投で、とりあえずはまとまっている。それでも、テレビ番組に登場する同党の若手代議士の中には、彼が集めた巨額な政治資金が何に使われたのかは明らかにすべきだと発言するものもある。悲しいかな政治家の約束は果たされることが少ない。この約束も、いつのまにか、うやむやにされるのだろうか。

 自民党から政権を奪取するとの小沢氏の本意が、果たしてどこにあるのかをうかがい知ることはできない。かつて自民党時代に奪取できなかった最高権力を手に入れようとしているのだろうか。それでも、政治があくまでもよりよい政策実現の手段だとすると、その隠された本意にかかわらず、せめて一度は政権交代が実現するのが良い。

 小沢氏の突出した政治資金。果たして何に使われたのか。それは容易に想像できる。彼は地道な日常活動の大切さを説き、自らも足繁く地方周りをしている。そのためには沢山のスタッフを差配する必要もあるから、資金の多くは、それらの活動にも使われているはずだ。

 政治には金がかかる。その構造自体に問題があるが、現実的には、小沢氏は、その豊富な資金を使い、民主党の中に、一種、政権奪取のための「私党」を創っているはずだ。そのことは、個人献金にのみ頼っていると語る前述の若手代議士も知っているはずだ。

 自民党も民主党もどっちもどっちだ。彼らは、黒塗りの公用車に乗り、国会から料亭へと移動している。雨か降ろうが、酷暑の夏を迎えようが、市井の人々のように、公共機関で移動することもない。あらかじめ日常感覚を失っているのだ。本来、政治とは、最も市井に近く、そこでの課題を現実的に解決し、将来を俯瞰するものだが、その一点を見ても、残念ながら、大きな期待はできない。

 さて、小沢氏は、今後、どのような対応をとればよいのだろうか。とても彼に思いは伝わらないだろうが、こんな方法はどうだろうか。

 少しばかり浮き足立っている自民党の諸氏が語るように、「彼こそ最も金権政治にまみれた政治家」だとの過去から今に至る現実を全て明らかにする。政権奪取のために、致し方なく、私党を創り、その活動のために政治資金が必要だったと全て明らかにする。自民党と、そして戦後政治の全てと「刺し違える」のだ。
 その上で、今すぐには政治環境を革新できないが、そのための端緒として、国民のために政権交代が必要だと語る。そして、ひとりの政治家として、個人として裁判活動を続けると表明し、最も自民党に打撃を与えられるタイミングで代表を辞する。

 彼は常に権力の中枢を歩いてきた。その歴史と今の現状を語り、次の世代に民主党を託す。多くの人々が彼に抱くマイナスのイメージを、捨て身で代表を辞することで、一挙にプラスに転換する。そうすれば、彼は、少なくとも、そのことによって、多くの人々に政権交代の実現を現出し、その功労者として歴史に名を残すだろう。

[2009.04.01]

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