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 カレンダー・ガールズ(原題:CALENDAR GIRLS)。

 1999年、イギリスの小さな田舎町で「婦人会ヌード・カレンダー」が製作され、30万部を売上げて大きな話題となった。その実話に基づくヒューマン・コメディ。

 婦人会では毎年、カレンダー作りが恒例のイベントとなっていた。どんなカレンダーを作るのかというアイディアもネタ切れ。

 そんな時、夫を白血病で亡くしたアニー(ジュリー・ウォルターズ)を励まし、彼が世話になった病院に寄付するため、親友のクリス(ヘレン・ミレン)は自分たちのヌードカレンダーを作ることを思い立つ。

 実際にも白血病研究基金の資金集めのために始まった中年女性たちの奮闘記だ。

 映画や舞台で活躍中する英国を代表する実力派女優たちが婦人会のメンバーを演じている。ヒロインのクリスを演じるのは、本作でゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされ、「クイーン」でアカデミー賞主演女優賞に輝いたたヘレン・ミレン。彼女の親友で、最愛の夫を失ったアニーは、「リトル・ダンサー」でアカデミー賞候補となり、「ハリー・ポッター」シリーズのロンの母親役でもおなじみのジュリー・ウォルターズ。ルースには「アイリス」のペネロープ・ウィルトン、シーリアには「ブリジット・ジョーンズの日記」のシーリア・イムリーなど、教会でオル白血病を弾くコーラは「めぐりあう時間たち」のリンダ・バセットが演じている。
 
 監督はブレンダ・ブレッシン主演の「Saving Grcw」が2000年のサンダンス映画祭で絶賛されたナイジェル・コール。撮影監督は「マリー・アントワネットの首飾り」のアシュレイ・ロウ。プロダクション・デザインは「恋におちたシェイクスピア」でオスカー受賞のマーティン・チャイルズ。編集は「僕の国、パパの国」のマイケル・パーカー、音楽は「ブリジット・ジョーンズの日記」の売れっこパトリック・ドイルが担当。

  国内での公開は、2004年5月29日。




 イギリス北部、ヨークシャーの小さな街で暮らす主婦のクリスは、何も起こらない平凡な日々にうんざりしていた。親友のアニーは、最愛の夫ジョンを白血病で失い、生活のはりあいもなくし、心の傷を癒せずにいた。

 スーパーで買ったケーキを品評会に出品して賞を獲得するなど田舎町にはそぐわない型破りな活動的でトラブルも起こすクリス。ひまわりの花をこよなく愛する夫ジョンと暮し、控え目で、何事にも慎重なアニー。性格も正反対だが大親友の二人の女性に必要だったのは人生を少しだけ輝かせてくれる出来事だった。

 二人が所属する婦人会のモットーは「自己啓発と娯楽と親睦」。ゲストが乳製品やブロッコリーの作り方などをマジメくさった口調で話している。退屈な婦人会。それでも他にすることもない二人。毎年、恒例のカレンダー作りの相談する会合の日がやってきた。

 今年も大したアイディアもない。昨年のカレンダーの収益はたったの75ポンドと60ペンス。そんな時、クリスは婦人会でヌード・カレンダーを制作しようと思い立ち、自分自身もモデルになる決意を固める。これならカレンダーの売上も伸ばさせるかも知れないし、病院へも寄付できる。

 最初は賛成するものもいない。普段は妻や母として暮らしているのに「ヌード・カレンダー」。家族も眉を潜め、相手にしてくれない。噂が広がると、街の人々の中には恥だと敵意をもつ者も現れた。

 専業主婦に甘んじ、こんなにうんざりしているのに....。失業中にも関わらず、サッカーと酒に明け暮れている夫たちにも一泡吹かせよう。11人のメンバーは一生に一度だけ、自分の人生の主役になることを願ってヌード撮影を決心する。

 何とも奇想天外な実話を映画化したのはハーバー・ピクチャーズの製作者チーム、スザンヌ・マッキーとニック・バートン。

 スザンヌ・マッキーは語っている。「40歳を過ぎたら、もう美しくないのではと不安に思っている女性たちに勇気を与える物語でだから世代を超えたすべての女性たちが共感してくれると思った」。

 製作チームの思惑は見事に大当たりとなり、英国の有名紙(デイリー・メール)も『この映画は「リトル・ダンサー」以来、最高のイギリス映画』と大絶賛。2003年秋に公開された英国では大ヒットを記録し、「ターミネーター3」「マトリックスレボリューションズ」といった超人作を抑えて、同年公開作品中第8位という驚異的な興行収人を稼ぎだした。




 婦人会のメンバーたちが、余りにも無謀だと大反発していた時に、アニーの一言がメンバーの心を動かす。

『ジョンがいっていたの。「ヨークシャーの花は女性に似てる。満開の時が最も美しい」って。きっと彼も応媛してくれるはずよ』。

 クリスがヌード・カレンダー作りを計画していると聞いた婦人会の支部長マリー(ジェラルディン・ジュームズ)は定例会でクリスを激しく非難する。
 教会でオルガンを弾くコーラはアニーに真顔で聞く。「私はもう55歳よ。今、脱がなくて、いつ脱ぐのよ」。 もう、その時には、11人のメンバーがヌード・カレンダー作りに賛成していた。

 ヌード・カレンダー作りが本格的に動き出す。カメラマンに選ばれたのは、他界したジョンの知人のローレンスだ。彼は、女性たちの勇気に応えようと、カレンダーのためにユニークで芸術的なアイディアを次々と提案する。
 彼が提案したのは女性たちがジャムやケーキを作っている日常の風景。ひとつだけ普通のカレンダーと違うのはモデルたちがヌードだということ。

 ローレンスのお洒落なアイディアには全員が大満足、美容院に行ったり、スポーツジムに通ったりと必死に自分磨きに励み始める。自分たちが主人公になれる。そんな目標を見つけた彼女たちの顔は生き生きと輝き始めていた。

 遂に、一生で一度のヌード撮影をする運命の日がやってくる。それでも肌を晒すのには勇気もいる。赤ワインを飲みながら、なごやかに談笑し、撮影の瞬間を待っていた。
 カメラマンは男のローレンス。最初は賛成したけれど、いざヌードになる瞬間を迎えると、彼女たちは少女のように恥じらっている。こうして、12ヶ月分の撮影は無事終了する。
 その間、妻たちの大胆な決断に動揺を隠せない夫たちは地元のパブに集まり酒をあおっていた。いざ決断すると女の方が強い。男はいつも、そんな女たちの決断に、おどおどしているだけだ。

 撮影は終わったが、大きな問題も残っていた。カレンダー発行には婦人会の上部団体である女性連盟の認可が必要だった。クリスとアニーは女性連盟の全国大会に乗り込む。「カレンダー作りは病院への寄付金集めが目的」だと二人は会長を説得する。とうとう二人の必死の訴えに保守的な女性連盟も出版を許可する。

 私たちはヌードになったのよ。もう怖いものなんて何もないわ...。一人でも多くの人にカレンダーを知ってもらうため、クリスたちは記者会見の場も用意していた。
 女性連盟の説得に時間がかかり、30分も遅刻。記者会見場に入ると、そこには誰もいなかった。「私たちの歳でヌードになっても、誰も見向きもしないのね」。

 会見場にいたスタッフが二人に「あんまり沢山の人が北ので隣の大きな部屋に移ってもらったよ」と告げた。部屋に入ると、二人は大歓声で迎えられる。普通の主婦たちのヌード・カレンダー作りという奇抜なアイディアは報道陣の度肝を抜き、国中の記者たちが会見に押しかけていたのだ。

 一躍、マスコミの話題の的となった彼女たちのもとには激励の手紙が次々に届いていた。「あなたたちのカレンダーのおかげで、私は笑顔を取り戻しました。みなさんの勇気に感謝します」。彼女たちは全国の中年女性たちの輝ける希望の星となり、カレンダーは順調に売り上げを伸ばしていく。


監督:ナイジェル・コール
製作:ニック・バートン、スザンヌ・マッキ―
原作:トリシア・スチュアート
脚本:ジュリエット・トウィディ、ティム・ファース
音楽:パトリック・ドイル
編集:マイケル・パーカー
撮影:アシュレイ・ロウ
プロダクション・デザイン:マーティン・チャイルズ
衣裳デザイン:フランシス・テンペスト
キャスト:ヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ、ペネロープ・ウィルトン、アネット・クロスビー、シーリア・イムリー、リンダ・バセット、シアラン・ハインズ、ジョン・アルタートン、フィリップ・グレニスター、ジェラルディン・ジェームズなど

配給:ブエナビスタエンターテインメント(ジャパン)
2003年/イギリス/108分
公式ホームページ(英文)

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2008.06.10掲載
近距離恋愛(MADE OF HONOR)
ファビュラス・ベイカー・ボーイズ(THE FABULOUS BAKER BOYS)
movie






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